国宝 雲龍山勝興寺

勝興寺文書目録

勝興寺の変遷

勝興寺文書は、戦国時代の越中を知るうえで大変貴重な文書であって、越中一向一揆等において勝興寺が果たした役割の大きさを物語っています。

このことから勝興寺文書は、越中を代表する中世文書群だと言えるでしょう。勝興寺所蔵の古文書・書籍等の主な調査としては、旧加賀前田家が治世の記録を残すために行われた調査(「越中古文書」第8巻文書等124点)をはじめ、明治30年東京帝国大学史料編纂掛による史料調査(大日本史料「勝興寺文書2冊文書等53点」)や1975年「富山県史」の編纂にかかる調査(勝興寺文書のうち180点〔その後1点追加〕が富山県文化財指定)が行われています。このほか、勝興寺文書等についてはいろいろな調査が行われていますが、いずれのもごく一部の文書等を対象にした調査でしかありませんでした。

今回の勝興寺文書目録の作成は、平成17年度から実施されている勝興寺大広間及び式台他10棟保存修理事業(第Ⅱ期工事)で、襖の裏張り等から新たな文書が多数発見されたことを受け、勝興寺が所有する文書(県指定181点を含め4,721点)を網羅的に調査しまとめ上げたものです。これまでの調査により、加賀藩の成立や越中の触頭制度、前田治脩加賀藩主や前田土佐守家との関係などがより詳しく判明してきたことや、いままで見過ごされてきた近世〜近代にかけての古文書類を整理分類したことで、今後の勝興寺を中心とする歴史を研究する手掛かりになるものと期待されています。また、勝興寺建造物の変遷を伺い知る資料も発見されたことから、現在行われている建造物の保存修理事業にも大きな役割を果たすことが期待されます。

今回の勝興寺文書調査では、勝興寺様はもとより高岡市立博物館のご協力のもと、勝興寺文書研究会の先生方の並々ならぬご労苦に対し敬意を表するものです。ついては、この勝興寺文書目録を活用することで勝興寺文書の適切な保存に繋がるよう努力してまいりたいと思います。

勝興寺文書目録作成事業 (単位:千円)
年 度 事業費 内  訳 内  容
所有者
21年度
1,500
600
600
300
調査、仕分け
22年度
1,500
600
600
300
整理、解読、撮影
23年度
1,625
650
650
325
配列、目録印刷
4,625
1,850
1,850
925
 
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